3 06 2013

[推薦書籍]「リーダーシップをデザインする―未来に向けて舵をとる方法」 ジョン・マエダ+べッキー・バーモント著 

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明日3月7日に発売される、ジョン・マエダさんの本を推薦します。



この本の著者はジョン前田である。デザインに携わる者であれば誰でも、一度や二度はお目にかかったことのある著名人であり、特にコミュニケーション・デザインに関わる人であれば、誰にでも知られている存在である。彼はMITで情報理論の専門領域を学び、そこからデザインを専攻する道を進んだ。その後の20年という短い期間に、デザインとアートの領域において、本質的デザイン思考に基づく斬新な仕事を常に発表し続け、研究・教育・出版・展覧会活動と目覚ましい活躍をしてきた。
私にとっては、この数年来触発され続けてきた人であった。その後MITでMBA(経営学修士号)を取得したころから彼の挑戦のモチベーションは変化して、階段をステップアップしたようであった。
そのジョン前田が前著『シンプリシティの法則』(原著は2006年)を刊行した後、2008年に、終身在職権を持つMIT教授という名誉ある立場から突然、ロードアイランド・スクール・オブ・デザイン(RISD)の学長となった。
この大学は、アメリカでは最もヨーロッパ的デザイン基調を誇る学校として有名であり、世界でも一目置かれる存在である。彼の転身について、私自身、良くぞ決断したものであると驚嘆させられた。
そうした時、彼の学長としての意気込みを感じさせる一報が届いた。新任学長としての就任式典でのメッセージ「スタート・ヒア」は、「MITが技術に貢献したのと同じように、RISDは創造性の発展に貢献していく」ことを新しい挑戦として力強く誓った基調スピーチで、素晴らしかった。その言葉は、大学のカタログのコンセプトに取り上げられ、学生にも伝えられた。よく考えられた、簡潔で素晴らしいスタートだと思わずにはいられなかった。
さらに、「シンプリシティの法則」で示された「デザイン、テクノロジー、ビジネス、ライフ」という4つの起点からTwitterではじき出される彼の感性のつぶやきや、教育機関の運営に注がれた情熱と葛藤がもたらす新たな冒険が、創造性の極限に向き会うことにつながり、さまざまな可能性を導く発見を生んだ。そこから、彼の思索の結晶が秘められた哲学書ともいえる本書『リーダーシップをデザインする』が生まれた。
彼は常に行動するリーダー像を追い求め、創造性豊かなデザインを超えるものの追究から、リーダーの素質とは何かを読者に問いかけ、思考の旅に誘い込まずにはおかない。そして真の人間性とは、謙虚さと感謝であると語る。
最後に、ユーモアと思虜深さに溢れる「つぶやき」の傑作を紹介したい。


「時間は秒刻みで流れるが、人生は年単位で過ぎる」
「@johnmaedaは、善行はたいてい報われず、悪行は決して忘れられることはないと思っている。どちらを選ぶかはあなた次第」


2008年は、オバマ氏が選挙で勝負し勝利した年であり、時を同じくしてジョン前田は学長になり、共に世界に挑戦し続けている。


勝井三雄